カリウム製剤同士の換算について
ニプロさんのページによると、カリウム製剤同士の換算式はありません。
また、臨床でのデータも存在していないようです。
https://www.nipro-es-pharma.co.jp/product/di/qadetail.php?qano=50244
現在、流通の問題もあり、カリウム製剤に限らず医師の指定した医薬品は手に入らない可能性も高い状況がここ数年単位で続いていることかと思います。
憶測ですが、原材料やガス光熱費等の高騰、人件費も上げていくべきところを医薬品の公定価格である毎年薬価が下がり続ける限り、回復することはないのかもしれません。
存在する薬で代用することは続きそうです。
しかし、カリウム製剤は同じカリウムでも、同じ量を出せばいいわけではないです。
以下は先ほどのニプロさんのページから抜き出しました。
<参考> 各カリウム製剤によって、常用量(添付文書で規定している用法・用量/1日量;K+のmEq数)は異なっています。
これは各製剤の生体内利用率や組織移行性等の違いによるものと考えられます。
切り替える際の確定された換算式はありませんが、常用量対比から計算する方法があります。
常用量対比とは
常用量対比=それぞれの製剤の1日用量の上限同士を治療学的に等量と考え、比例計算するという考え方。
常用量対比で換算した用量を切替え時の目安の初回用量として、薬剤切替え後は、適切な期間内[処方医のご判断;例)概ね1~2週間]に血清カリウム濃度を測定し、用量調整をお願いします。
詳しくはニプロさんのページをご覧ください。
計算の簡略化したものが以下です。
間違えているかもしれませんので、しっかりニプロさんのページなどを元にmEq計算したほうがいいと思います。
なお、以下の式は製剤量から製剤量の計算です。
#1 a→b
a塩化カリウム徐放錠剤600mg X g(錠剤の力価をgに変換する)
↓
の場合
Y = 1/2.9 × 0.5 × 8 × X
つまり
Y = 40X/29
#2 c→b
cグルコン酸カリウム X g
↓
の場合
Y = 1/2.9 × 0.4 × 4 × X
つまり
Y = 16X/29
となります。
繰り返しますが、あくまで、ニプロさんのページの計算式を簡略化した結果で、合っているかも保証は一切致しません。
私の勉強のメモ書きです。
実際に使えるかは分かりません。
ご自身で添付文書等を含めご自身で計算してお確かめください。
また、ニプロさんのページに記載がある通り、臨床データもありません。
式として成立はしてない可能性が高いです。
実際に薬剤変更する際には血液検査は行ってください。
不適切と連絡がある場合にはページは削除いたします。
偽造処方せんの確認と発覚時の対応方法
こんにちは、みなさん。
今回のブログでは、偽造が疑われる処方せんの確認と、偽造処方せんが発覚した場合の対応方法についてお話しします。
健康保険法によれば、患者さんは薬を受け取る際には処方箋を提出しなければなりません。
薬剤師の皆さんは、処方箋の確認に注意を払いましょう。
もし問題があると思われる場合は、疑義照会を行うことが重要です。
処方せんの提出義務と薬剤師の役割
健康保険法の施行規則によれば、薬剤を受け取るためには、保険医療機関で診療に従事する保険医、医師、または歯科医師が交付した処方せんを保険薬局などに提出する必要があります。
ただし、保険薬局などから被保険者証の提出を求められた場合には、処方せんと被保険者証を提出しなければなりません。
薬剤師法では、薬剤師は医師、歯科医師、または獣医師の処方せんに基づいて調剤することが規定されています。
ただし、処方せんに記載された医薬品について、処方せんを交付した医師、歯科医師、または獣医師の同意を得た場合を除き、変更して調剤してはいけません。
引用
健康保険法施行規則
(処方せんの提出)
第54条 法第63条第3項各号に掲げる薬局(以下「保険薬局等」という。)から薬剤の支給を受けようとする者は、保険医療機関等において、診療に従事する保険医又は医師若しくは歯科医師が交付した処方せんを当該保険薬局等に提出しなければならない。ただし、当該保険薬局等から被保険者証の提出を求められたときは、当該処方せん及び被保険者証を(被保険者が法第74条第1項第2号又は第3号の規定の適用を受けるときは、高齢受給者証を添えて)提出しなければならない
薬剤師法
(処方せんによる調剤)第23条 薬剤師は、医師、歯科医師又は獣医師の処方せんによらなければ、販売又は授与の目的で調剤してはならない。
2 薬剤師は、処方せんに記載された医薬品につき、その処方せんを交付した医師、歯科医師又は獣医師の同意を得た場合を除くほか、これを変更して調剤してはならない。
(処方せん中の疑義)
第24条 薬剤師は、処方せん中に疑わしい点があるときは、その処方せんを交付した医師、歯科医師又は獣医師に問い合わせて、その疑わしい点を確かめた後でなければ、これによつて調剤してはならない
また、処方せんに疑わしい点がある場合は、薬剤師は処方せんを交付した医師、歯科医師、または獣医師に問い合わせて疑わしい点を確認しなければ、それに基づいて調剤してはいけません。
偽造処方せんとは何か?
偽造処方せんとは、正規の処方せんをコピーしたり改ざんしたりして作成されたもの、または不正に作成されたもののことを指します。このような処方せんは、麻薬や向精神薬を詐取するために悪用される場合があります。
偽造処方せんは法律で罰せられる犯罪行為とされています。
いくつかの犯罪に関する刑法および麻薬及び向精神薬取締法の条文を示しています。
以下にそれぞれの条文をまとめました。
犯罪行為 | 適用法条 | 刑罰 |
---|---|---|
詐欺 | 刑法第246条違反 | 10年以下の懲役 |
私文書偽造及び同行使(未遂も含む) | 刑法第159条及び第161条違反 | 3ヶ月以上5年以下の懲役 |
麻薬処方せんの偽造・変造 | 麻薬及び向精神薬取締法第70条第14項違反 | 1年以下の懲役若しくは20万円以下の罰金 |
向精神薬処方せんの偽造・変造 | 麻薬及び向精神薬取締法第72条第4項違反 | 20万円以下の罰金 |
注意: これらは一般的な情報であり、具体的な状況によって異なる場合があります。法律の詳細については、各法律を参照ください。
偽造処方せんの識別方法
偽造処方せんを見分けるためには、以下のようなチェックポイントに注意する必要があります。
確認項目 | 異常の有無 |
---|---|
紙の四辺や切断面の歪み | |
用紙サイズや紙質、手触りの違和感 | |
直線や枠のゆがみや途切れ | |
印刷面の汚れや不自然な線 | |
朱肉やインクの色合いや光沢 | |
切り貼りしたものをコピーした形跡 | |
処方医の訂正印の有無 | |
保険者番号や氏名、生年月日の一致 | |
医療機関名や所在地の疑わしい点 | |
交付年月日の経過 | |
処方医の氏名や押印欄の朱肉の色 | |
処方内容の適切性 |
以上のチェックシートを元に確認ができます。
ただ、処方せんに書かれた線の歪みや朱肉の異常などは印刷や押印のやり方で異常があることはあるかとは思います。
また、持ち込まれる際に処方箋が破れたり汚れていたり歪んでいるなどもよくあることなので一概に即アウトとはならないかとは思います。
偽造処方せんへの対応方法
もし偽造処方せんを受け取った場合は、以下の対応方法を実施する必要があります。
処方医に速やかに電話などで疑義がある点について確認する
患者情報を保険証や問診票などで確認する
患者に対して、確認後に調剤する旨を説明する
偽造・変造処方せんであることが判明した場合は、速やかに最寄りの警察署に届け出る
まとめ
偽造処方せんの確認と発覚時の対応方法についてご紹介しました。
健康保険法に基づいて、薬剤師は処方せんの確認に努めるべきです。偽造処方せんは犯罪行為であり、適切な対応が求められます。
また、電子処方せんについてもセキュリティ面や利用方法に関する知識を持つことが重要です。
医療の安全と患者の健康を守るために、偽造処方せんへの警戒と適切な対応を心がけましょう。
参考文献:
薬局のための偽造・変造処方せん対応マニュアル - http://kyotofuyaku.or.jp/data/data1/8519-1.pdf
電子処方せん QA集(国民向け) |厚生労働省 - https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/denshishohousen_kokumin_QA.html
第2版 - mhlw.go.jp - https://www.mhlw.go.jp/content/11121000/000626327.pdf
先発医薬品と後発医薬品について
こんいちは。ぽぽろんです。
今回は、ジェネリック医薬品と先発医薬品の違いについて詳しくお話ししますね。
ジェネリックとは?
ジェネリック医薬品とは、先発医薬品の特許が切れた後に登場する医薬品のことです。つまり、有効成分は同じなのです。
先発医薬品は、新しい有効成分を発見され開発されるため、多くの時間と費用がかかりますが、ジェネリック医薬品は先発医薬品の情報を利用して開発されるため、その費用は抑えられます。
そのため、ジェネリック医薬品は先発医薬品よりも安く販売されるのです。
ジェネリック医薬品は、国の承認を受けるためには、先発医薬品と同じ効果や安全性を持つ必要があります。
そのため、ジェネリック医薬品は先発医薬品と同じ効能・効果や用法・用量を持っています。
ただし、製造会社や添加物などが異なる場合もありますので、微妙な違いが生じる可能性もあるのです。
同一成分同一規格の先発医薬品でも製造された日が違えばそれも微妙な差はあるわけですので先発品でも人によっては日によっては問題が起きる可能性はあるのかもしれません。ジェネリックでもその微妙な差が人にどのような影響を与えるのかは、人それぞれです。
ただ、そもそも先発医薬品が開発される過程でも、成分にもよりますが、5mg、10mg、50mg、100mg、500mgなど、数十mg単位で治験はされていることはあっても数μg単位で効き目や副作用に差があるか治験はされていないはずですのであまり気にし過ぎないことはある意味重要だと解釈しております。
ジェネリック医薬品の使用は、患者さんの経済的な負担を減らすだけでなく、国の医療財政の改善にも貢献しています。そのため、国や厚生労働省はジェネリック医薬品の使用促進を目標に掲げているのです。
先発医薬品はなぜ高いのか?
前述した通り、先発品の開発には膨大な金額がかかる場合があります。
一般的には数百億円から数千億円とされていて、具体的な例としては、アストラゼネカ社は1つの医薬品につき平均110億ドル(約1兆2000億円)以上を費やしたと報告しています。
また、タフツ医薬品開発研究センターの推定では、新薬の開発費用は26億ドル(約2800億円)近くになるとされています。
ただし、2020年の新しい調査では、新薬を市場に投入するまでの費用の中央値が9億8500万ドル(約1000億円)であり、平均値が13億ドル(約1400億円)と推定されています。
これは以前の調査結果よりも低くなっています。
ただし、最終的に市場に出すまでに理論上は効果がかあったり、動物には効果があっても、人間には効果が出なかったり、副作用が許容され難いものだったりと問題が発生し数千億円が無駄になることもあります。
医薬品の開発には多くの要素が関与し、複雑なプロセスが必要となるため、研究・開発費用は大きな負担となる場合があります。
製薬企業などにはそういったリスクを背負って開発しているのです。
【引用元】過渡期を迎えた製薬企業(前編)〜ふくらむ研究開発費 .... 参照URL: https://www.scienceshift.jp/blog/think-about-ploblem-of-2025-3-first
ちなみに、新薬開発費用が低くなった理由には、以下のような要因が挙げられます。
研究開発の効率化: 新しい技術や手法の導入により、基礎研究や非臨床試験の期間やコストを削減できるようになりました。
例えば、高速遺伝子シーケンシングやバーチャルスクリーニングなどの革新的な技術は、候補化合物の選別や薬剤開発プロセスの効率化に貢献しています。
臨床試験の最適化: 患者の特性や反応に応じて、試験デザインや投与量を調整することで、試験の精度や信頼性を高めるとともに、試験期間や規模を縮小できるようになりました。
適切なターゲット集団の選択や有効性評価の最適化により、効果的な臨床試験が可能となりました。
優先審査制度の活用: 重篤な疾患や未治療の疾患に対する新薬については、承認申請から審査までの期間を短縮する制度が各国で導入されています。
これにより、市場投入までの時間を短縮できるため、開発費用を削減することができます。
これらの要因により、新薬開発費用が低くなったとされています。研究開発の効率化や臨床試験の最適化により、費用対効果の高い医薬品の開発が可能となりました。
低いと言っても数千億円はかかることもあるので決して安いものではないですね。そのため先発医薬品は高いことが多いのです。
優先審査制度とは?
優先審査制度は、一定の基準を満たす医薬品や医療機器に対して承認申請から審査までの期間を短縮する制度です。
対象となる医薬品等には、希少疾病用医薬品、先駆け審査指定医薬品、先駆的医薬品、特定用途医薬品、重篤な疾患に対する新医薬品などがあります。
この制度を利用するためには、「早期審査に関する事情説明書」の提出と国や総合機構による可否の判断が必要です。
優先審査制度は日本だけでなく、アメリカや欧州などでも導入されています。
この制度は重篤な疾患に苦しむ患者にとって有益なものであり、治療の早期導入や医療の進歩に貢献しています。
【引用元】
優先審査等の取扱いについて( 令和02年08月31日薬生機審発第 .... 参照URL: https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=00tc5289&dataType=1&pageNo=1
特許出願の早期審査・早期審理について | 経済産業省 特許庁. 参照URL: https://www.jpo.go.jp/system/patent/shinsa/soki/v3souki.html
優先審査制度とは | 製薬業界 用語辞典 | Answers(アンサーズ). 参照URL: https://answers.ten-navi.com/dictionary/cat02/3264/
FDA(アメリカ食品医薬品局)の日本語訳&解説. 参照URL: http://fda.importjapan.info/cder001.html
オーソライズド・ジェネリック
ジェネリック医薬品の中でも「オーソライズド・ジェネリック」というものも存在します。
オーソライズド・ジェネリックは、新薬メーカーから許諾を受けたジェネリックのことで、略してAGと呼ばれています。
AGには、AG1、AG2、AG3の3つのクラスがあります。
それぞれの違いと見分け方を見ていきましょう。
AG1
AG1は、新薬と同じ原薬、添加物、製法、工場、技術を用いて製造されます。
中身は新薬とまったく同じで、違うのは名前や薬価、包装などの外部要素です。
AG1を見分けるポイントは、添付文書やインタビューフォームの薬物動態の項目に標準製剤の記載がないことです。
AG2
AG2は、新薬と同じ原薬、添加物、製法を使用して製造されますが、工場や技術は異なります。
AG2を見分ける方法は、インタビューフォームの製品の開発経緯や治療学的・製剤学的特性において、原薬が新薬と同じであることが記載されていることです。
AG3
AG3は、新薬と同じ添加物、製法を使用して製造されますが、原薬や工場、技術は異なります。
AG3を見分けるポイントは、インタビューフォームの製品の開発経緯や治療学的・製剤学的特性において、原薬が新薬と異なることが記載されていることです。
AGのクラスごとに異なる特徴がありますが、それぞれ新薬と同等の効果を持ちます。
ただし、外部要素や製造プロセスに若干の違いがあるため、医療従事者や患者さんは添付文書やインタビューフォームをよく確認して、適切な医薬品を選択する必要があります。
AG1~3の見分け方以下のようになっています。
- 標準治療薬の記載がないこと
- 原薬が新薬と同じであることが記載されていること
- 原薬が新薬と異なることが記載されていること。
以下の表にまとめました。
項目 | AG1 | AG2 | AG3 |
---|---|---|---|
原薬 | 新薬と同じ | 新薬と同じ | 新薬と異なる |
添加物 | 新薬と同じ | 新薬と同じ | 新薬と同じ |
製法 | 新薬と同じ | 新薬と同じ | 新薬と同じ |
工場 | 新薬と同じ | 新薬と異なる | 新薬と異なる |
技術 | 新薬と同じ | 新薬と異なる | 新薬と異なる |
見分け方 | 標準製剤の記載がないこと | 原薬が新薬と同じであることが記載されていること | 原薬が新薬と異なることが記載されていること |
この表は、AGのクラスを簡単に理解するためのものであり、実際の医薬品は個々に特徴や効果が異なる場合があります。
添付文書やインタビューフォームなどをよく読み、適切な医薬品を選択するようにしてください。
【引用元】
オーソライズド・ジェネリック総論【AG1〜3と簡単な見分け方 .... 参照URL: https://www.mr-net.info/entry/ag
2022年 AG(オーソライズド・ジェネリック)一覧表。AG1,2,3とは .... 参照URL: https://kusuri-company.com/2018/08/21/ag/
一筋縄ではいかない?
薬物動態に標準製剤の記載がないことや標準製剤とと原薬が同じという時点でAG1かと思っていたのですが、以下のような薬もありますね。
例に挙げるのは、フェキソフェナジン塩酸塩30/60mg「SANIK」です。
I. 概要に関する項目
1. 開発の経緯
本剤は,フェキンフェナジン塩酸塩を有効成分とするアレルギー性疾患治療剤である。
「フェキソフェナジン塩酸塩錠 30mg/60mg「SANIK」」は,日本においてサノフィグループから特許権等の許諾を受けた唯一の製剤であり、日本初のオーソライズドジェネリックとして,日医工サノフィ株式会社が 2012年2月15日に承認を取得し、2013年6月21日に日医工株式会社が販売を開始した。
2021年12月1日,日医工サノフィ株式会社から日医工株式会社へ製造販売承認が承継された。
2.製品の治療学的・製剤学的特性
(1) 本剤は,標準製剤と原薬,添加物,製造方法が同一の,日本初のオーソライズドジェネリックである。
引用: フェキソフェナジン塩酸塩錠30/ 60mg「SANIK」インタビューフォーム: https://www.nichiiko.co.jp/medicine/file/55670/interview/55670_interview.pdf
これに関しては、2.製品の治療学的・製剤学的特性だけで自動的にAG1だと思われましたが、どうも工場が同じという記載がありません。
ということはAG2かAG3ということになるのかと思いますが、標準製剤と同じということは新薬と同じであるため、AG2なのかなと思われます。
必ずしも文言が同じということもないようですね。
もしくは私が見る場所間違えてるのかもしれませんけどね。
ここまでAGの話をしていましたが、AGを勧めるわけではありません、わ
AGが必ず良いというものではないと思われますので、その辺りも考慮していけると良いかと思います。
ジェネリックによっては、AGではなくても、効果は同じで先発医薬品にはなかった飲みやすさを追求したものもあります。
個人的な考え方ですが、AGは他のGEより少し高い印象ですので、効果が変わらないのであればさらに安いGEの方が良いという考え方もあるかと思います。
不足薬品がある場合の適切な対応について
こんにちは。ぽぽろんです。
医療用医薬品の供給不足が発生する可能性があることを考慮して、患者さんの安全と利便性を確保するために必要なスキルがあります。
不足薬品がある場合の適切な対応
1. 不足薬品の情報を入手する:
- 厚生労働省や製造販売企業からの最新情報を確認することが重要です。
2. 代替薬品の確認と処方箋の変更:
- 不足薬品に代わる同一成分製剤や代替薬品の在庫や入手可能性を確認し、必要に応じて医師や患者さんと相談して処方箋の変更や調剤方法の変更を行います。
3. 適切な発注と在庫管理:
- 不足薬品の購入に際しては、処方見込みや在庫量を把握し、必要最低限の発注を心掛けます。
- 同時に複数の卸に同一品目を発注したり、返品したりすることは避けましょう。
4. 患者への情報提供と対応説明:
- 不足薬品に関する情報や代替薬品の説明を適切に伝え、患者さんや関係者の理解と協力を得ます。
不足薬品に関する情報は、厚生労働省のホームページや製造販売企業の情報、医療用医薬品供給状況データベース(DSJP)、関連団体からの情報提供などを活用することができます。
ただし、ネット情報が追い付かないほどの昨今の医薬品の流通状況は悪化していますので、卸に直接聞くのが一番いいのかもしれませんが、卸さんも電話がつながらないこともしばしばですよね。その辺りは患者さんにはうまく伝えましょう。
患者さんへの説明では、不足薬品の原因や現状を分かりやすく説明し、代替薬品の効果や副作用、入荷予定などについて詳しく説明することが重要です。
患者さんの不安や疑問に対しても丁寧に対応し、感謝の気持ちを示すことが大切です。
不足薬品のお渡し方法は、薬局によって異なりますが、適切な方法を選択することが重要です。
一般的な不足薬品のお渡し方法には以下のようなものがあります。
不足薬のお渡し方法
1. 近隣店舗や卸から取り寄せる:
- 在庫のある他の店舗や卸から不足薬品を取り寄せる方法です。
2. 後日来局してもらう:
- 不足薬品が入荷次第、患者さんに改めて来局してもらい、お渡しする方法です。
3. 届き次第郵送する:
- 不足薬品が入荷した際に、郵送サービスを利用して患者さんに送付する方法です。
4. 他の店舗を紹介する:
- 不足薬品を取り扱っている他の薬局を紹介し、患者さんに利用してもらう方法です。
5. 患者さん宅まで届けに行く:
- 患者さんの利便性を考慮し、不足薬品を患者さん宅まで配達する方法です。
6. 疑義照会で薬を変更してもらう:
- 不足薬品に代わる別の薬を疑義照会を通じて医師に相談し、処方箋の変更を依頼する方法です。
これらの方法は、患者さんの状況や要望、薬局の在庫や人員等の体制に応じて適切に選択する必要があります。
患者さんに対しては、選択した方法について丁寧に説明し、理解と協力を得ることが大切です。
まとめ
まとめると、不足薬品がある場合の適切な対応ができるということは、医療用医薬品の安定供給と患者さんの安全性・利便性を確保するために重要なスキルです。
不足薬品の情報収集と代替薬品の確認、適切な発注と在庫管理、患者への適切な情報提供と対応説明が不可欠です。
適切な不足薬品のお渡し方法を選択し、患者さんの理解と協力を得ることも重要です。
新人薬剤師としては、これらのスキルを習得し、患者の安全と利便性を確保するために努めましょう。
処方せんの不備と正確な取り扱い:疑義照会の重要性
皆さん、こんにちは。ぽぽろんです!
今回は、薬剤師の業務において非常に重要なテーマである「処方せんの正確な取り扱い」と「疑義照会」についてお話しします。
処方せんとは?
処方せんは、医師が患者に対して投与する医薬品を指示する文書です。
調剤薬局では、この指示に基づいて調剤が行われます。
しかし、処方せんには記載不備や誤りがある場合があります。
そんな場合には、処方箋を発行した医師に連絡を取る必要があります。これが疑義照会です。
疑義照会は、薬剤師法24条によって義務付けられている薬剤師の重要な責務です。
処方箋の不備と疑義照会
例えば、処方日が古くなっていたり、医療機関や保険医師名が不明確だったり、署名や押印がなかったり、薬剤名や用量・用法、使用部位等の記載が不適切だったりすることがあります。さらに、薬剤の禁忌や重複、相互作用、過量や過小投与などが疑われる場合もあります。
昨今の医薬品流通状況では、書かれた通りの医薬品を調剤するのに流通再開まで待たないといけない場合もあり、事実上渡せない薬もあったりします。その場合には医薬品の変更なども提案する必要があるかもしれません。
こうした場合、薬剤師は処方せんをそのまま応需してはいけません。
なぜなら、それが患者の安全や治療効果に影響を及ぼす恐れがあるからです。また、健康保険法や医師法などの法律や規則に違反する可能性もあります。
そのため、新人薬剤師は、処方せんを受け取ったらまず処方日が期限内(処方日を含めて4日以内)と医療機関、保険医師名の署名又は記名+押印を確認することが必要です。
これらは、処方せんの発行元や有効性を証明する基本的な事項です。
もし、これらに不備がある場合には、処方医に連絡して内容を確認し、必要に応じて訂正や再発行を依頼することができます。
この作業を「疑義照会」と呼びます。
疑義照会は、薬剤師の義務であり、患者の利益や安全を守るために重要な業務です。
新人薬剤師は、疑義照会の方法やマナーを身につける必要があります。
具体的な疑義照会の手順
では、疑義照会の手順をご紹介します。
1. 処方せんの内容を確認し、疑問点や不備があることを発見します。
2. 処方医に電話やFAXなどで連絡し、疑義照会の旨を伝えます。
その際、自分の名前や所属先、患者の氏名や処方せん番号などを明確に伝えます。
3. 疑問点や不備について具体的に質問し、処方医の回答内容を確認します。
必要に応じて、処方内容の変更や訂正、再発行などを依頼します。
4. 疑義照会の結果を処方せんや調剤録などに記録し、調剤を行います。
その際、処方内容が変更された場合は、患者にその旨を説明し、同意を得ます。
疑義照会時の注意点
疑義照会をする際には、以下のようなマナーや注意点に気を付けましょう。
- 処方医に対して敬意を持ち、丁寧な言葉遣いや態度で接します。
- 疑義照会の目的は、患者の安全や治療効果を確保することであり、処方医の指示に異議を唱えることではありません。
- 疑義照会の内容は、事実に基づいて具体的かつ明確に伝えます。感情的になったり、曖昧な表現や推測をしたりしないようにします。
- 疑義照会の回答内容は、正確に理解し、必ず記録します。記録する際は、回答した処方医の氏名や連絡先、回答日時なども記載します。
- 疑義照会は、できるだけ迅速に行います。処方医が忙しい場合は、都合の良い時間帯に再度連絡することもあります。
- 疑義照会は、薬剤師個人の責任で行います。他の薬剤師やスタッフに任せたりしないようにしましょう。
以上が、疑義照会の手順とマナーの一般的な例です。
もちろん、実際のケースによって異なる場合もありますので、柔軟に対応することが大切です。
具体例と対応
ここで、いくつかのケースを具体例として挙げてみましょう。
ケース1:処方せんに処方日が記載されていない場合
- 疑義照会の内容:処方せんの発行日を確認する。
- 疑義照会の理由:処方せんの有効期限は発行日を含めて4日以内であるため。
ケース2:処方せんに医療機関や保険医師名が不明確な場合
- 疑義照会の内容:医療機関や保険医師名を明確にする。
- 疑義照会の理由:処方せんの発行元や有効性を証明するため。
ケース3:処方せんに署名や押印がない場合
- 疑義照会の内容:署名や押印を求める。
- 疑義照会の理由:処方せんの発行元や有効性を証明するため。
ケース4:処方せんに薬剤名や用量・用法の記載がない、不適切、不明瞭な場合
- 疑義照会の内容:薬剤名や用量・用法を確認する。
- 疑義照会の理由:患者に適切な薬物治療を提供するため。
ケース5:処方せんに薬剤の禁忌・重複・相互作用・過量投与などが疑われる場合
- 疑義照会の内容:処方意図や治療目的を確認し、必要に応じて代替薬や用量・用法の変更を提案する。
- 疑義照会の理由:患者の安全や治療効果を確保するため。
これらは疑義照会の一例ですが、実際にはさまざまなケースが存在します。
新人薬剤師は、患者の利益と安全を考えながら、処方せんの不備や誤りに注意深く対応し、必要な場合には疑義照会を積極的に行うことが求められます。
まとめ
以上が、処方せんの正確な取り扱いと疑義照会の重要性についての解説でした。薬剤師としての責任を大切にし、患者の安全と適切な医療を提供するために、処方せんに対する注意と疑義照会の実施を心がけましょう。
新人薬剤師としては、疑義照会の方法やマナーを学び、経験を積むことが重要です。
処方せんの正確な取り扱いと疑義照会は、薬剤師の重要な業務の一部です。
患者の安全と適切な医療を守るために、処方せんの不備や誤りに対して注意深く対応し、必要な場合には疑義照会を行いましょう。
疑義照会は、薬剤師法に基づく薬剤師の義務でありますが、根底としては、患者の利益や安全を守るために重要な役割を果たします。
新人薬剤師の皆さんは、疑義照会に対する知識とスキルを積極的に身につけてください。
患者の安全と適切な医療を守るために、処方せんの正確な取り扱いと疑義照会の実施に努めましょう。
薬剤師としての責任を果たすために、日々の業務においても処方せんの取り扱いに十分な注意を払い、疑義照会の実施を通じて患者の安全を最優先に考えましょう。
雑談1
こんにちは、ぽぽろんです。
仕事終わりに書いてるうちにぼーっとしてきて雑な感じになってきてますが、時間が(もし)あればちょっとずつ加筆しようかと思います。
そのうち投稿内容の関連記事もまとめておこうかと思いますが、もっと投稿数が増えたらやっていこうと思います。
患者の情報確認と治療効果最大化:薬物療法の成功の鍵
今回は、新人薬剤師にとって重要な達成目標である、患者の体質・アレルギー・副作用情報・合併症・既往歴・服薬状況・残薬状況の確認についてお話しします。
【患者情報の確認と安全な薬物療法】
患者の体質・アレルギー・副作用情報・合併症・既往歴の確認は、安全かつ効果的な薬物療法を提供するために不可欠なステップです。
患者が特定の体質やアレルギーを持っている場合、それに応じた薬の選択や用量の調整を行うことができます。
また、副作用や合併症のリスクを把握し、それに対応する対策を講じることも重要です。
さらに、患者の既往歴を把握することで、現在の病状や治療方針に影響を与える要素を考慮することができます。
【服薬状況・残薬状況の確認とアドヒアランス向上】
患者の服薬状況・残薬状況の確認は、薬物療法の効果を最大限に引き出すために欠かせません。
患者が処方された薬を正しく服用しているかどうか、服用し忘れや誤った服用がないか、残薬が適切な量であるかを確認することが重要です。
これにより、患者の服薬アドヒアランスを評価し、必要な指導や支援を行うことができます。
また、残薬状況の確認は、薬の再処方のタイミングを把握するためにも役立ちます。
これらの情報を正確に把握し、適切な薬物療法を提供することで、患者の治療効果を最大化し安全性を確保することができます。
【確認の重要性とメリット】
体質・アレルギー・副作用情報・合併症・既往歴の確認は、患者に合わせた薬物療法を実施するために欠かせません。
患者が特定の体質やアレルギーを持っている場合、それに合わせた薬の選択や用量の調整を行うことができます。
副作用や合併症に対応するためにも、事前に情報を確認することが重要です。
さらに、既往歴を把握することで、患者の病状や治療方針に影響する要素を考慮することができます。
服薬状況・残薬状況の確認は、患者の服薬アドヒアランス向上に繋がります。
患者が処方された薬を正しく服用しているか、服用し忘れや誤った服用がないかを確認することで、患者の服薬状況を把握することができます。
また、残薬状況の確認は、薬の再処方のタイミングを把握するためにも役立ちます。
適切な服薬状況を維持することで、治療の効果を最大化し、患者の健康状態を改善することができます。
【まとめ】
以上のように、体質・アレルギー・副作用情報・合併症・既往歴・服薬状況・残薬状況の確認は、重要なスキルです。
これらの情報を適切に確認し、患者の安全な薬物療法を実現することを目指しましょう。
皆さんも、この達成目標に向けて努力し、患者の健康と安全をサポートする素晴らしい薬剤師になることを目指してください。